活躍する理系女性インタビュー:水沼末雅さん(2/3)

転職で気づいた、ヒューマンスキルの重要性

女性データアナリストが活躍する環境を目指すMCRアナリティクス。「理系女性の強みを活かした働き方」というテーマのもと、外資系医薬品メーカーを経て戦略コンサルで活躍する水沼さんに、代表星野がお話を伺いました。第二回目は、卒業後、製薬会社・戦略コンサルというキャリアを歩んだ水沼さんに、仕事に求められるスキルの変化について伺います。

水沼 未雅(みずぬま みか)
1986年兵庫県生まれ。京都大学薬学部を卒業後、東京大学薬学系研究科で神経科学を研究。博士号取得後、欧州系製薬会社を経て、米系戦略コンサルティングファームに入社。ヘルスケア業界をはじめ多岐にわたる業界で、新規事業戦略、全社改革、製品戦略等さまざまなプロジェクトに従事。

星野 康行(ほしの やすゆき)
株式会社MCRアナリティクス 代表取締役

星野)研究に目覚めながらも、卒業後は外資系の製薬会社に入社されていますが、どんな背景があったのでしょう。

水沼)研究に一心不乱に打ち込む同僚を見て、私はそこまで心の底から楽しめないなと思ったんです。この分野である程度まではいけるけど、金メダルは獲れないなって。
あとは、私の研究の成果が社会にインパクトを生むのは何百年も先なんじゃないかと考えたのも一つの理由です。人の健康に役立ちたくて薬学部に来たのだから、立ち返って製薬の仕事に携わろうと思い、就職を決めました。

星野)製薬会社には研究職で入られたんですか?

水沼)いえ、Medical Affairsという、研究・営業・マーケティングの領域を繋ぎ合わせるような仕事をしました。もともと、コミュニケーションやプレゼンテーションが好きだったんですよね。たぶん、ラボから出て、ネズミじゃなくて人間と関わりたかったのもあると思います(笑)。

星野)ビジネスの現場で研究の経験が生きることはありましたか?

水沼)私の場合は、本当に研究の経験に支えられました。会社では専門分野と全く異なる循環器系の医薬品に携わるようになったので、知識はそのまま持ち越せません。でも、サイエンスのデータを読み解いてストーリーを構築するという点はどの分野でも基礎力として生きるんです。
私の場合、新しい領域に取り組む際には、まずとにかく情報を頭に入れるんです。それこそ論文を何十本も読んで、薄く広く網羅する。すると、なんとなくこうなっているはずじゃないかという仮説が見えてくる。あとは大まかな枠組みを組み立てて、追加でエビデンスを探して埋めていくようなやり方をしています。

星野)その辺りの思考プロセスはデータ分析と全く一緒ですね。分野は違うけれど、ほとんど一緒。たぶん、そういう思考を辿らないと良い分析ってできないと思います。

水沼)基礎の部分はきっと同じですよね。私自身、「どこでもできるな」という自信にも繋がりましたね。

星野)非常に充実した仕事のように伺えるのですが、転職をされたのはどんな背景だったのでしょう?

水沼)担当していたプロダクトのリリース延期や、組織体制の変化など、いくつか要素が重なったんです。組織の決定に自分の人生を左右されないキャリアの築き方をしたいなと思い、戦略コンサルティングファームに転職を決めました。
以前からコンサルに関心があったのも理由の一つです。問題を解決するというのが研究と近いと感じたんですよね。製薬会社では新薬の開発なんて人生に一度関われるかどうかですが、コンサルならそういうことに何度も携わる機会がある。自分が楽しいと思えるところを何度も繰り返せるというのが魅力に感じました。

星野)コンサルタントになってから、仕事に求められることは変わりました?

水沼)問題解決という意味ではやっぱり研究と近かったですね。でも、ひとつ感じたのは、人間が大好きじゃないとこの仕事はできないなって。やっぱり、クライアントに対してどれだけインパクトを出せるかという仕事なので、そのクライアントさんを助けたいというような、ある意味泥臭い人間的な部分って結構大切なんです。

星野)その点はデータ分析でも全く同じです。お客さんが好きじゃない分析者はやっぱり上手くいかないんですよ。何を見据えて仕事をするかが大きく違います。
最終的にお客さんのためにという思考に行くのか、あくまでも分析の結果だけを追求する思考に行くのか。事象だけに向き合っていても、お客さんの求めているものにたどり着けないということは結構多いですね。

水沼)コンサルタントにも原理主義者と現実主義者がいて、クライアントのことが好きじゃないと原理主義者になっちゃうんですよね。こうあるべきだ、みたいな。実際の運用のことまで考慮せずに、結局使われないアウトプットになっちゃったりする。
もしかしたらデータ分析もそうかもしれないんですけど、私コンサルティングをやってて、ある程度は理想と現実が違うっていうことを受け入れているんです。その上で、現実的に成果を出すにはどうしたらいいか考えて行動する。その時に、本当にお客さんのことを考えて対話を重ねていかないと、使ってもらえるアウトプットって出せないんですよね。

星野)細かなプロセスは違うんでしょうけど、大きな考え方は意外と同じなんですね。
私たちはデータを扱うのである程度の厳密さは求められますが、そこもやっぱり100%の確証ではないので、逆に言えば長い期間でPDCAサイクルを回して結果が出てくるという話に近いんです。
そして、どこで結論づけるかはお客さんとの対話の中で決まります。「なんとなく、ここで落ちるんだろうな」という非常に人間的な感覚ですね。そういう感覚を持つ分析者がいい結果を出せるので、人が好きというのは非常に大きな要素ですね。

 

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