活躍する理系女性インタビュー:水沼末雅さん(3/3)

自然体でいられて、強みを発揮できる環境を選んだ方がいい

女性データアナリストが活躍する環境を目指すMCRアナリティクス。「理系女性の強みを活かした働き方」というテーマのもと、外資系医薬品メーカーを経て戦略コンサルで活躍する水沼さんに、代表星野がお話を伺いました。第三回目は、これまでのキャリアを振り返り、理系女性がどのように環境を選択するべきか、水沼さんのご意見を伺います。

水沼 未雅(みずぬま みか)
1986年兵庫県生まれ。京都大学薬学部を卒業後、東京大学薬学系研究科で神経科学を研究。博士号取得後、欧州系製薬会社を経て、米系戦略コンサルティングファームに入社。ヘルスケア業界をはじめ多岐にわたる業界で、新規事業戦略、全社改革、製品戦略等さまざまなプロジェクトに従事。

星野 康行(ほしの やすゆき)
株式会社MCRアナリティクス 代表取締役

星野)水沼さんはご自身のキャリア選択の中でジェンダーについて考えることはありましたか?

水沼)結構ありましたね。元々アカデミアで研究者を目指そうとしていたんですが、博士課程まで行って、ふっと上を見上げた時に、学部に女性教授が一人もいなかったんです。
薬学部は、特に昔は、女性のほうが多かったんですよ。5割以上女性だった時代もあります。だから、今の教授方が若かった時代は女性が多かったはずなのに、上を見上げると男性教授しかいない。「なんだこれ。」という違和感はありましたね。
よく男女のキャリア格差の話で「ガラスの天井」という言葉が使われますが、まさにそんなイメージです。もちろん、それを乗り越えるという選択肢もありますけど、ガラスの天井を一生懸命叩いて、痛い思いをしながら破ることに人生のエネルギーを使いたいかというと、私はそうじゃないなと思ったんです。研究者を目指さなかった理由の一つでもありますね。

星野)女性のロールモデルという観点では、新卒で入社された外資系の製薬会社はいかがでしたか?

水沼)それまでの環境と全く違いましたね。女性の管理職が非常に多くて、マネジメントのうち3割は女性でした。そんな環境なので子育ても当たり前だし、みんなバリバリ仕事をしながら人生も楽しんでいるんです。それが当たり前の環境だったのがよかったですね。未だに、自分が家族を持った時はあの業界に戻りたいなと思います。

星野)男性が多い業界や環境で働く上で、意識していたことなどはありますか?

水沼)私はサバサバしている雰囲気が楽だったので、そこまで意識することはありませんでしたね。経験したことではないので事実ベースではなく完全に印象論ですが、女性が多い組織よりネチネチしなくていいのではとも思ったり。
強いて言うなら、良い意味で「少数派でいること」は強みにしていた気がします。特にPh.D.までとる女性は日本ではまだ珍しいので、周りからも覚えてもらったり注目してもらえたりするんです。そういう希少性みたいなものは価値だと思いますね。

星野)なるほど、たしかにそういう捉え方もできますね。理系女性のキャリア選択について、何かアドバイスはありますか?

水沼)私自身がそんなパーフェクトな人生を歩んできたわけではないので、難しいですね。でも、自然体で働けない場所であえて歯を食いしばって血を流しながら頑張るよりも、別の環境を自ら選びとっていくほうが幸せな人生を送れることもあるんじゃないかなという気はします。
私がアカデミアではなく民間に就職したのも、本来自分が注ぐべき対象じゃないところにエネルギーを使うのではなく、自分が活躍できる環境で強みを生かした方が価値が出せるなと思ったからです。一度きりの人生で、与えられた時間は有限ですから。
なので、もし今いる場所が生きづらいなら、そこで開拓者になる人生もあるかもしれないけど、そこまで無理して頑張らなくても女性が輝ける場所って周りを見渡せばいくらでもあると思うんです。それを自ら選びとっていけばいいんじゃないかと思います。

星野)自然体でいられるような環境はどんな要素から生まれるのでしょう?

水沼)おそらく、業務内容ではなく組織体制だと思います。やっぱり周りの理解に尽きるというか、女性であることが特別でないことでしょうか。やっぱり自分をマイノリティに感じてしまうと、気を遣う部分が出て来るし、「配慮してもらう」みたいな部分が出てくるので。
「女性社員が活躍するための女性向けプログラム」とかを掲げるのには違和感がありますね。いちいち大々的に打ち出さなくても、それが当たり前に出来る環境、女性が活躍することを公言しなくてもいい環境が望ましいのかなと。難しいですけどね。

星野)そのあたりは私たちもまさに考えているところです。現状、データ分析の業界はまだ男性が多いですが、もっと女性が活躍できるような環境にしていきたいなと考えています。具体的には、先ほどのヒューマンスキルの重要性があるので、元営業の方などがデータアナリストになるという選択肢はありなんじゃないかと考えているんですよね。

水沼)いいですね。コンサルティングもそうですけど、理系的・男性的と思われがちですが、やっぱり成果におけるヒューマンスキルの占める割合ってとても大きいんです。
うちの会社でも、社内調査でクライアントの満足度を調べた時に、女性コンサルタントの方が成果が高いという結果が出たことがあるんです。女性の方がクライアントとのコミュニケーションの部分で優れているというのはデータとしても出ているんですよね。だからこそ、もっと女性は自信をもってもよいのかなと私は思います。

 

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